こんにちは!理学部数学科4年の田畑俊です。

まずは、AOⅡ期受験、お疲れ様です。合格を勝ち取ったあなた!本当におめでとうございます。

 

今回のテーマは「高校と大学の学びの違い」です。

 

ちょっと思い返してみてほしいのですが、今思えば、中学から高校の勉強のギャップもなかなか大きかったんじゃないでしょうか。それの大学生版ですね。

簡単に言うと高校まで「教科」だったものが「学問」に変わります。どんな違いがあるかというと扱っていく問題の“質”が変わることで、アプローチが専門的になったり、答えが1つに定まらなかったりします。

 

学問というと堅苦しく感じますか?今日はタイトルに掲げた問を例に学問的なアプローチってやつをご紹介します。

 

Q.ドーナツを穴だけ残して食べてください

こう問われたときの高校の教科書的な解答は、「そんなことより、宿題やりなさい」とかですかね笑

皆さんはこの問をどう考えますか?

 

できるわけないじゃないか、そもそも、そんなこと考えて何になるの?と思うかもしれませんね。

 

実はこの問題は、大阪大学の実際の授業「本をつくる」の中で議論され、書籍化までされています。その内容は「各分野の教授たちが自分の専門分野の観点からこの問題を解く」というもの。大学の学問の雰囲気として紹介します。

 

工学部の教授は手や口を使って、どうやったら形が崩れず食べられるか、あるいは機械で削る、レーザーで穴すれすれまで溶かす、穴の型を取る・・・等、様々な方法を試す。

理学部の数学者である教授はまず「ドーナツの穴」という“曖昧な言葉”を「指の仕草」を用いて定義し、4次元空間に入ることでドーナツを普通に食べるそうです、はい笑

法学部の教授は、ドーナツにまつわる判例を持ってきて・・・

文学研究科の教授に至っては「本性的な(イデア)ドーナツは食べることができないので、穴もなくならない」と言っています。(冗談ではなく、納得のいく説明付きで)

 

自分の学部だったらどんな“食べ方”が出来るか、考えてみてはどうでしょう。

 

大学では問題の質が変わります

大学では、問題からして、複雑に見えるものが多くなります。答えの在り方も高校までのように模範解答があって、解法があって、というものはほとんどありません。

高校までは、〜は何か答えよ、〇〇を求めよ、だったテストも、だんだんと

△△について、自分の考えを講義の内容を加味して論ぜよ、とか

自分が授業するならどんな構成にするか、指導案を作成せよ、というような風に変わってきます。

 

でも、ただ単に難易度が上がったというわけではなく、新しい発見のための勉強に変わったということだと僕は思います。「習ったことを再現できるかどうか」に加え、+αで自分独自の意見や他の人と協力して答えを導くということを求められます。

 

東北大では

この大学の話に、焦点を写してみましょう。

東北大学にはいろんな人がいます。専門も背景も得意不得意も全然違う教授陣・学生たちがいて、それぞれが

何かをもっと知りたい、

こうなったら世の中もっと面白いかも、

と徹底的に考え抜く姿勢を持っています。僕はそのことの面白さに、大学で講義を受けているうちに気づいてきました。

 

というのも、この大学は主に1,2年の間は全学教育といって、自分の学部のもの以外にも特定の授業を必修と定めています。

数学科の僕も生物学や英語、中国語、哲学や心理学コミュニケーションなどを選択して学びました。最近は起業家のイロハを学んだり、自分の学んだことを見える化・構造化して、発表する!みたいな学問を横断した授業も開発されています。

他学部の人との交流を通じて、自分の学部以外のことも高校の時以上に深く学べるため、なんとなく取った授業に、どんどん熱中してしまう、なんてことも珍しくありません。

心理学の授業では「エレベーターの開閉ボタンは開の方が横に長くデザインされているものがある」というということを学びました。

↑ちなみにこれは地下鉄川内駅の構内エレベーターです。受験やオープンキャンパスの時に使った人も多いと思います。気づきましたか?確かに開のほうが横長ですね。

 

なんでこうなってるか、考えてみてください。実は、開のボタンは外側に向かう三角で、中が詰まって見えるため直感的に「閉まるなんじゃね?」と錯覚してしまう人が多かったそうです。だから意図的に開ボタンを横長にデザインしたと。なるほど・・・

 

僕はこの理由を聞いたときに衝撃を受けました。

「身近なものの中に、誰かが改善点やモヤモヤを発見して、より良いものを作っている。僕が気づかないところで学問がしっかりと生かされている」と。

 

これは自分の専門である数学を学んでいるだけでは得られなかった気づきです。

 

最後に少しだけ

みなさんは全学教育でどんなことを学びたいですか?

高校までの「模範解答のある勉強」を突破したみなさんを次に待つのは、教科の壁や答えという制限のない“底なしの穴”かもしれません。一緒に飛び込んでみましょう!