教えて!学長!
~直撃インタビュー~

今回は2人の岩手大学生が小川智学長にお話を伺いました。

3人で
(左)岩手大学生協学生委員会
髙橋拓真さん(農学部3年)
(中央)岩手大学学長
小川 智先生(令和2年4月就任)
(右)岩手大学生協新入生サポートセンター
遠藤駿太さん(農学部3年)

(以下、敬称を略して表記します)

以前は食堂をよく利用していた。旅行センターは今でもよく利用。

遠藤:昨年度も学長インタビューをさせていただきましたが、その後生協に対するイメージに変化はありましたか?
学長:昨年も言いましたが、私が通った大学や岩手大学に来る前に勤めた大学には生協がなかったんですね。ですから、生協のイメージと言われると岩手大学に来てからの印象になるのですが、とても素敵だなと思っています。役員になる前は、ほとんど毎日お昼ご飯を学生たちと生協の食堂に行って食べる、という生活でした。また、大学の教員になると国内外を問わず色んなところに行かなくてはならないので、旅行センターにも色々とお世話になりました。それから、新入生サポートセンターというのは昨年初めて知りました。これから入学してくる学生さんというのは何も分からない状態で入ってくるので、紹介してあげる場所というのは必要なのかなと思っています。ですから、こういう機会(インタビュー)は大切かなと思っています。
遠藤:ありがとうございます。ちなみに食堂のお気に入りのメニューはありますか?
学長:圧倒的に麺コーナーでしたね。学生たちと行くときは混む前に行っていました。比較的すぐでき上がるので麺が多かったですね。もちろん、ビュッフェ型のレーンに並んで食べたいものを取っていくというのもよかったですが、ずっと食べていると麺がいいなという感じでしたね。
遠藤:麺コーナー、良いですよね!我々もよく食堂を使うので…
学長:大学の周辺にお昼がとれる施設って多くないですよね。あと、生協の食堂だと値段が安く食べられるし。毎日のことだからね、たまにならいいんですけどね。
遠藤:それにお昼の時間も50分ですしね。
学長:そうそうそう!100分授業になって結構タイトになってますからね。
遠藤:講義から行って、また講義に行くことを考えるとやはり学食がいいなと。
学長:わかります。

戻すものは戻す、戻さないものは新しくする。

遠藤:続いて、コロナ禍の大学生活についてです。昨年度の学長インタビューの際にもコロナ禍での対面授業への想いというものを伺ったのですが、今年度も対面授業への想いというものを教えていただきたいです。
学長:まず、何も分からなかった頃と違って、感染の仕方やどれくらいの症状になるのかなど、色々と分かってきたので、やってはいけないことを切り離すことで対面を続けられるという印象を持っています。
今年になって思っていることが、「戻すものは戻す、戻さないものは新しくする。」という考え方です。そうでないと、学生の活動も含めて岩手大学が持つ色々な取り組みが受け継がれなくなってしまいます。これは課外活動だけではなく、授業でもそうなります。対面授業が必要な理由として、お互いの気持ちの伝わり方がリモートで授業をやる時と対面で授業をやる時とで違うと思うので、私は対面に戻すべきだと考えています。それが「戻すものは戻す」ということです。「戻さないものは新しくする」は、遠隔授業を上手く活かして、新しい形の授業を作っていけるのではないかと考えています。お互いに離れて情報交換をし合うことを経験しているので、そのような部分は活かしたいと思っています。ということで、学びに関しても「戻すものは戻す、戻さないものは新しくする」つもりでいます。
遠藤:ありがとうございます。大学生は一人暮らしの人も多いので、その人たちはだれにも会えずに友達もいないという状況がとてもつらかったので、対面に戻していただけて非常にありがたかったと思います。

ハイブリッド型の授業を準備。サークルは早期再開を目指した。

遠藤:先ほど戻すものと戻さないものは新しくするというお話をされていたと思うのですが何か具体的なビジョンのようなものはお持ちですか?
学長:一番重要な学びにポイントを絞ると、先ほども話した組み合わせて使うのが新しい授業のやり方になります。つまり、リモート授業と言っても自宅で授業を受けなければいけないということではなくて、教室で授業を受けつつ資料はパソコンなどに配布といったハイブリット型ができます。今後はこれらが新しい仕組みに入ってくるなと感じています。そのために今の新入生にはパソコンを必携化にしています。さらに教員達も工夫してハイブリット型の授業を組み込んだカリキュラムを準備しているところです。
遠藤:なるほど。僕達は入学したころからオンラインでやってきたのでだいぶ慣れていますが、ハイブリット型では対面のいいところとオンラインのいいところの両方を取れるということですごくいいなと感じています。これからもどんどん新しい学びを新入生に提供してほしいと思います。
学長:そういう面では遠隔授業と対面授業の両方を体験したのは、今の3年生だけなので対面の大切さが1番わかる学年だと思うんですが、どうですか?特に自宅生や寮生には友達がいると思うけど、遠方から来てアパートに住んでいる学生は何か言ってましたか?
髙橋:自分はアパートに住んでいるんですけど自分の時は入学式もなかったので…
学長:コロナ1年目は中止にしてしまったからね。

一同笑う

髙橋:なので遠隔授業の半年間は大学に入学したという実感がなかったです。大学の友達がいなかったので高校の友達とZOOMをつないでしゃべったり、家ではパソコンとにらめっこしながら授業を受けたりしたので、「大学生になったんだっけ?」と思いながら過ごしていました。いざ対面が始まると、最初はめんどくさいなって思ってたんですけど、今では友達も増えてご飯食べたり、食事するのが楽しいので対面が始まってよかったなと思っています。
学長:リモートで一番心配したのが食事ですね。そのためにリモート中でも大学構内に入ってはいけないというルールは一回も作りませんでしたし、食堂にパーテーションを入れて大学で食事が出来るようにしましたね。リモートのときには大学で食事をとってた?それともアパートで済ませてた?
髙橋:自分はアパートが大学のすぐ近くなのでアパートに食料があるときは家で自炊をして、ないときは学食を利用していました。
遠藤:食事は僕も学食を利用していました。最初のうちの楽しみはご飯のために外に出ることくらいでしたが、僕は途中からサークルが解禁になったことで友達が増えて学校が楽しいと思えるようになりました。
学長:まず前期のリモートだったときには当然サークル活動はできなかったけれど、その後に期末試験や集中講義を対面で出来るようにしてから徐々にサークル活動を戻し始めました。最初の年はサークル勧誘も出来ず、次の年も活動に少し制限を付けたりしていましたが、リスクは高いですけれど、サークル活動は友達を作るいい機会なので、できるだけ早く戻さないといけないと思ってましたね。学生がルールを守ってくれるか心配だったけれど、当時からサークル活動を戻すことは重要だと考えてました。そうしないとなかなか友達は出来ないからね。
遠藤:ありがとうございます。学生第一で動いてくださったことに私たち学生は大変感謝しています。

大学生はそもそも大人。大学としても成人として扱う。

遠藤:成人年齢の引き下げについてです。成人年齢がこの間引き下げになって、新入生は入学時には成人になりますが、小川学長はその点に関してはどのようにお考えですか? 
学長:そもそも学生達は小中高を終えて高等教育である大学に来るわけです。大学生は自らの意思で授業を選ぶし、自らの意思で将来を決めていくわけですから、成人年齢を何歳にするかという問題ではなく、そもそも大人として扱っています。その代わり、責任を伴うということも学生達には理解してもらっています。

自分の行動に理由を持つ。様々な人と関わり、自分を磨いてほしい。

遠藤:自分の行動に責任を持つことは難しいことですが大事なことですよね。例えばどのようなことをして成長していってほしいなどはありますか。
学長:少なくとも、自分の意志で何の授業を取るのかということははっきりと決めてほしいですね。先輩の意見は先駆者として大事だと思いますが、それがすべてではなくて、参考にするけれども「自分はどうなのか」ということを常に問うて、授業選択や進路を決定する。また、サークル活動の一つ一つの交流の中でも自らの主張などをしっかり行える、大人であってほしいと思いますけどね。
遠藤:ありがとうございます。やっぱりサークルも貴重な経験だと思いますね。
学長:貴重だと思いますね。以前、環境マネジメント関係の仕事を岩手大学の中で担当していました。環境マネジメント学生委員会が図書館の脇のところで緑のカーテンとなるアサガオにお水をあげながら育てる。普段の授業では学科あるいはコース・課程で限られたメンバー、つまり同じ方向を向いている人達だけとその場を共有しています。しかし、サークル活動の場合は学部はバラバラで入ってきますし、性格の違う人達が集まってくるじゃないですか。そういう中で色々なことが磨かれると思いますね。そして、その中の自分の立ち位置もはっきりしてくる。そういったところでサークル活動は非常に大切だと思いますね。
これ(新入生サポートセンター)も一つのサークル活動だと思います。
遠藤:ありがとうございます。非常に貴重な経験だと思うので…。
学長:こうやって話すこともね。少なくともこの機会がないと学長と話すことなく大学を卒業するよね。
遠藤:そうですね。本当に貴重な機会をありがとうございます。
学長:こちらこそ。

パソコン使えるのは当たり前、大学もカリキュラムを刷新する。

遠藤:続いて、学習についてお尋ねします。新入生サポートセンターでは、在学中に身に着けるパソコンスキルというのは社会に出てからも重要だという昨年の学長の考えをもとに、今年はパソコンや電子辞書をモノとして提案するのではなくて、それらを使ってどう学習していくかという学習スタイルを提案していくという形に変えました。パソコンを使いこなして社会に出ていくために、岩手大学として実施している取り組みなどはありますか?
学長:ハイブリッド型の授業になるということは、パソコンを使いこなせないとどうにもならないということです。ただそのスキルを自分達で勝手に学べというのでは大学のご都合主義になってしまいます。ホームページが最近変わったの知ってます?「MDASH」※というのが(バナーの)最初に出てくるようになっています。
※MDASH:「AI戦略2019(統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき、「文理を問わず、すべての大学生が、初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得する」という国家戦略の達成に向けて、全学部学生を対象とした、リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI教育プログラム。(岩手大学ホームページ参照)
遠藤:最近MDASHっていうのに変わっていて、なんだこれって気になっていました。
学長:最初私の顔が(ホームページの画面に)ダーンって出るんです。あれやめてくれってね。

一同笑う

学長:あれは情報のリテラシーを学ぶということに加えて、パソコンスキルも身につくような、少なくともワードやエクセルくらいは身につくようなプログラムです。そういうのを理系文系関係なく全学生ができるような準備にもう入っています。パソコンだけ買わせて「あとは使えないのはあなたが悪い」ではなくて、使えるようにするという取り組みに関して最近力を入れています。在学生の皆さんはもうスキルが身についているので大丈夫だと思いますけど、新入生はそこからスタートだと思います。そういう準備は大学としてやらせていただいています。
髙橋:なるほど。
学長:スマホはすでにパソコンと同じ機能ですね。ただ、ちょっと画面が小さいというのがありますが…。正直言ってこれから社会に出たときに少なくともパソコンを使いこなせないというのはあり得ないと思います。ブラインドタッチが普通っていう世界ですから…。

2in1パソコンでOneNoteを利用。大学生の新しい学びとスキルとは。

学長:皆さんは大学の中でどうパソコンを使っていますか?
遠藤:僕は、2in1パソコンをノートパソコンとして使用したりタブレット型にしたりして使ってました。先生から授業の資料をPDFで提示されることが多いので、それをダウンロードしてOneNoteに書き込んでというスタイルが増えてきましたね。
学長:使いこなすという点では大丈夫ですか?
髙橋:私は8月の中旬くらいに農水省のインターンに参加して、最後に行った内容の発表をするという機会がありました。パワーポイントを使って資料を作って発表したのですが、そのときに職員の方から「やっぱり今の学生は使いこなせてすごいね」というお褒めの言葉をいただいたりもしたので、多少は使いこなせるようになってきています。
学長:誰かに聞くか、あるいは何か書籍で使い方のマニュアルを読むなどして覚えないとそう簡単にできないでしょう?
髙橋:授業でも何回かプレゼンするときがあるので、その時々で授業の先生から意見をいただいたり、友達から意見をもらいながら少しずつ使い方を学んできたという感じですね。
学長:これからは新入生の(パソコンスキルの)スタートラインをみんな同じにしないといけないかなと思っています。これから情報教育が初等中等教育でも行われるので、パソコンスキルのある子たちがいっぱい入ってくるんですよね。でも知らない子たちもいますから、どういうふうにメニューを用意するか、いくつかのメニューのパターンは必要かなと思っています。ICTやITは使いこなすことがごく当たり前のことになっているので、自分の専門分野+αとしてこれからすごく役に立つと思うのです。スキルとして無駄にならないと思う。お二人とも農学関係ですから確実に必要だと思います。頑張って!
遠藤:頑張りますし、新入生にもしっかりと伝えていきます!
学長:伝えてください!

人生で最もゆとりのある大学という時間を充実させてほしい。

髙橋:これから岩手大学に入ってくる新入生にどのような気持ちで入ってきてほしいと思っていますか?
学長:とにかく人生の中で最も時間が自由になるのが大学の生活だと思います。そういう面では、色んなことに興味を持ち、チャレンジしてもらいたいなと思います。ですから、もちろん勉強は大切ですが、それだけじゃなくて、友達を作るとか、サークル活動などで社会経験を積むとか、そういったことをするのに大学での時間というのは十分余裕があるので、有効に活用してもらいたいなと思っています。また、岩手大学の上田キャンパスは、非常に長い歴史の中で今の形になっています。例えば国指定の重要文化財になっている農業史料館など、歴史あるものが点在しているので、キャンパスの中を歩くだけでも非常に新鮮だと思います。今まで、一生懸命受験勉強を頑張ってきたのであれば、少し息を抜いて、岩手大学のキャンパスで、ゆっくりと時を過ごしてほしいなと思います。そういう場所なので、楽しみにして入ってきてくださいと言いたいですね。
遠藤:ありがとうございます。それは我々も新入生に会ったときにしっかりと伝えていきたいなと思います。
学長:最初に入ってきたときに、新入生としてどんな印象を持ちましたか?今度はこれを新入生が見るのだから、自分たちの新入生のときの感想を一言どうぞ。
遠藤:不安もありましたが、それよりも初めて一人暮らしをするってことで、楽しみの方が大きくて…
学長:でしょ!僕もそうだったから。
遠藤:出身が東京なので、こんなに緑がないですし、そういった意味でもすごく楽しみだなと思って、このあたりをうろうろしたりとか、色々回っていましたね。
学長:分かります。家から通えない大学を受けるっていうパターンね。

学長笑う、遠藤頷く

学長:僕もそうでした。

一同笑う

学長:なるほどね。確かに東京から盛岡に来たら、寒さはきついだろうけれども、自然は豊かですよね。
遠藤:そうなんです。

好奇心を大事にして、能動的に学んでほしい。

遠藤:改めて最後に新入生の方へメッセージをお願いします。
学長:そうですね。大学はそもそも、自分達がどういうことをしたいかを探すために通る高等教育機関なので、好奇心はすごく大事にしてほしいなと思っています。決められたことをやりこなすのではなくて、こういうことが知りたいとかこういうことがやりたいとかいう能動的な姿勢で、大学生活をスタートしてほしいなといつも思っています。
高等学校までは「学習」と言って、「学び習う」という受動的な学びですが、大学では「学問」となるので、「学び問う」だから能動的な学びになります。ここは大きな違いで、学習指導要領のような決められたカリキュラムというのは大学にはないので、学生たちが自ら良いと思う授業を選んで、それで自らを高めていきます。そういった場になるので、「やっと大学に受かったー!」というゴールではなくて、「これから大学が始まるんだ」というスタートにしてほしいなというのが、私の思いです!!
遠藤:ありがとうございます。我々もそのような思いを持って、新入生に伝えていけたら良いなと思います。
学長:はい。そして、あなたたちも社会に巣立っていただければと思います。
遠藤:はい!頑張ります!それではこれでインタビューは以上となります。
学生:ありがとうございます。
学長:ありがとうございました。

一同笑う

【協力】
 岩手大学学長 小川智
【取材・制作】
 岩手大学生活協同組合
 新入生サポートセンター広報局


お問い合わせ

岩手大学生協 0120-823-533

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