皆さんこんにちは! 理学部化学科2年の佐藤謙成です。合格体験記をご覧いただきありがとうございます。受験に向けて勉強を頑張っている皆さんに向けて、私自身の合格体験記を紹介します。
勉強面
受験区分は一般前期試験です。(元々の志望校が東北大学ではなかったため、AO入試は受験しませんでした。)
共通テスト後にその結果を踏まえて東北大学受験を決めたため、2次試験まで約1ヶ月という短い時間で2次試験の対策をする必要がありました。そのため、基本的には東北大学の入試傾向に合わせて問題集や過去問を解きながら対策しました。英語であれば長文読解、化学であれば有機化学(構造決定)のように東北大学入試の特色が見られる部分については、確実に得点につなげられるよう特に力を入れていました。
継続的に取り組んでいたこととしては、東北大学だけでなく他大学の入試問題にも触れながら、問題を考える際の自分なりのやり方を構築するように意識していたことが挙げられます。私の個人的な意見として、問題を前にしたときに「まず〇〇をやる。次に△△をやる。」といったように自分なりのやり方(手順)が確立できていると、焦らずいつも通りのリズムで回答できるという考えがありました。それを意識しながら勉強を進めていたということです。問題が与えられたとき何をしたらよいかわからず、頭が真っ白になってしまうという受験生の方もいらっしゃると思うので、問題を前にして自分がやることを明確にすることと、うまく自分自身をいつも通りのリズムに引き込む術を身につけることの2点をおすすめしたいです。
得意科目:化学
もともと理科の中でも化学が好きだったため、入試の際にも得点源になりました。私は暗記が得意ではなかったので、科目に関わらず、語呂合わせに頼ったり、問題を解きながら考え方を定着させたりして、できる限り覚えることを削減しつつ点数を取れるような方法を考えるようにしていました。加えて基本的な問題を疎かにせず、日頃から丁寧に考えることを意識することも重視していました。基礎を疎かにするといざという時に足元を掬われますし、反対に基礎がしっかりしている人には本番で自分を助けてくれる確かな力がつきます。これは化学に限らずどの教科でも普遍的にいえることだと思います。
さて、東北大の化学といえばなんといっても有機化学の構造決定問題が特徴的です。百聞は一件に如かずということで、私はある程度問題集である程度の解き方を掴んでから実際の過去問を解いていました。初めは市販されている過去問題集で他の問題と一緒に6年分解いたのですが、有機化学の問題だけは学校で問題集を借りてさらに14年分、つまり直近20年分を解いて本番の試験に臨みました。どの教科についても自分が納得できるくらいまでやっておくと、自信を持って入試会場に行くことができると思います。
苦手科目:英語
先述したように私は暗記が得意ではなかったため、英単語をいかにして覚えるかという基本的なところで悩みました。幸いにして、朝晩約30分ずつ電車に乗って通学していたのでそこで単語帳を見たり、音声教材を聞いたりして覚えていました。単純なことなのですが、やはり継続は力なりということなのでしょう。逆に文法は論理的に考えることができる分、私にとってはやりやすかったという印象がありました。
とはいえ、入試の長文で出てくる単語を全てカバーすることはほぼできないため、現実的には和訳などの際、すでにわかっている部分をヒントに推測で埋める作業が求められます。ここは長文問題を解きながら練習しておきましょう。すぐに辞書を引くのではなく、ある程度推測を頼りに回答を作成してから確認することをおすすめします。
苦手科目であっても入試本番ではある程度の得点を取ることが求められます。「苦手」というネガティブな考えから、「伸びしろがたくさんある」とポジティブに捉え直して、ぜひ積極的に取り組んでいってもらえればと思います。
生活面
ここでは生活の中で意識していたことを3つ挙げようと思います。
① 時間の使い方
ありきたりな点ではありますが、意識してみると時間の使い方というのはなかなか難しいものです。私自身は高校時代の状況上、時間の使い方について考える必要があったためその経験談を紹介します。
通学の際、車で15分、電車で30分、自転車で15分というように時間がかかっていたため、毎朝家を出るのは6時半。そのため、あまり遅くまで勉強すれば寝坊のリスクがあり、遅くとも23時半には布団に入るような生活をしていました。なかなか勉強に時間を割けない分、計画的にメリハリをつけた受験勉強ができた点では、逆に良かったのかもしれません。ダラダラと間延びした勉強をするよりも、短時間で本当に集中して勉強していった方が最終的には成績向上につながると思います。
② 体調管理の重要性
勉強を頑張るのはもちろん良いことですし、そこを否定することはできません。しかし、頑張りすぎて体調を崩してしまうと、一定期間体調を戻すために安静にする必要が生じてしまいます。これはあまりに勿体無いと私は考えています。
少し実験してみましょう。1日あたり、普通であれば23時まで勉強していたところを、1時まで2時間長くしたとします。これで(2時間)×(日数)の分だけ学習時間は伸びます。
しかしその結果として、体調を崩し、1日学校を休んだとしましょう。このとき、授業が1コマ1時間だとすれば、技能科目などを除いたとしても1日で4、5時間の授業が受けられなくなります。さらに自分で勉強する時間を加えれば、休養に当てたこの1日だけで約10時間以上の学習時間を失うことになってしまうでしょう。これは夜の学習時間を2時間伸ばした日数に換算すれば5日分です。
これは極端かつ単純な例ですが、無理をして頑張るよりも休むときはしっかり休んで、継続的に取り組むことが重要だということは伝わったのではないでしょうか。自分の体調を一番よくわかっているのは他でもなく自分自身です。受験までの限られた時間を有効に使うため、体調管理はしっかりやっていきましょう。
③ 最低限やることを決めておく
毎日受験勉強をしていれば、時には身が入らない日も出てくるでしょう。そのような時には無理せず休むことも必要なのかもしれません。(ただし、これを免罪符に毎日休むのはやめましょう。)とはいえ、学習を全くしないのは継続性という観点でいえばあまり好ましいとはいえませんし、受験生として罪悪感を感じる部分もあるかと思います。そのため、何もしないで休むのではなく、最低限これだけは毎日やるということを決めておくことをおすすめします。参考書を何ページ分読む、この単元の問題は1日1題解くといったように、科目ごとに簡単なことで良いので最低限のタスクを課し、習慣化しておきましょう。これによって継続的な学習をある程度は担保することができます。
受験前日・当日
直前期に取り組んでいたことは主に以下の3つです。
①それまでに解いた過去問や模試の振り返り
②体調管理
③当日の動きをシミュレーション
それぞれについてみていきます。
①は学校の先生や先輩方から聞いたことがあるという受験生の方々も多いかもしれません。私は自分が1回は解いて学んだ問題を見返すことで、自分の取り組みを肯定して自信を持つことができました。また、もし忘れていた点があれば、「ここで思い出すことができてラッキー」くらいのポジティブな考えを持つように意識し、ネガティブに捉えることは避けるよう心がけました。
②は〈生活面〉の章でも触れましたが、今回は受験当日に向けてというお話です。受験会場でのパフォーマンスには体調に左右される部分が確実に存在します。これは高校受験を体調が万全とはいえない状況で受験した私の経験則です。コンマ数点の差を争う大学受験において健康な状態でいることは、それだけでアドバンテージになるのです。直前期だからといって無理せず、本番の自分のコンディションが最適になるように意識していました。
③は私が共通テスト前に高校3年生当時の担任から助言されたことで、ここで皆さんにも共有したいと思います。「朝何時に起きるか」というところから始まり、「何時に出発するのか」「どんな経路で会場に行くのか」「始まるまで何をしているか」「休憩時間は何をするか」等々、受験にあたって受験生自身の裁量に任せられている部分は非常に多いのです。しかし、その場の判断に任せて動くのは時にリスクを伴います。何かトラブルがあったときに焦りますし、それを受験中に引きずって集中できないということもあるでしょう。受験で初めて仙台に来る方は特に、です。ですから、こんなことがあるかもしれないということまで含めて、頭の中で当日の自分の動きをシミュレーションしておくことで、いつでも落ち着いて動けるようにすることは重要なのです。受験生の皆さんは、受験の当日、自分がどのように行動するかイメージできているでしょうか。まだ時期尚早かもしれませんが、少しずつイメージしておくと良いのかなと私は思っています。それによって受験勉強のモチベーションも高まるかもしれません。
ここからは受験前日・当日のことについてご紹介します。
受験前日は父と一緒に仙台に来ました。泊まっていたホテルから地下鉄の駅までの経路を確認したり、過去問や模試を見返したりと特段変わったことはしていません。私の場合は高校時代からオープンキャンパスや学校の研修などで何度か東北大に来たことがあったので、前日にキャンパスに行くことはしませんでしたが、受験で初めて東北大を訪れる受験生の方は前日のうちに実際に会場となる建物まで行ってみるのも良いかもしれません。その方が、当日は安心できると思います。夕食後には翌日の昼食を買い、本番に向けて早めに就寝しました。
当日の朝食は緊張感であまり食べることができなかったので、無理せず食べられるものだけ頂いて、大学に向かいました。朝食を十分食べられないことを見越して前日のうちにゼリータイプの飲料を買っておいたことも功を奏し、本番はいつも通りに試験に臨むことができました。あまり手応えが良かったわけではなかったものの、とにかく教科ごとに気持ちを切り替え、集中して最後までやり切ることだけを意識していました。
大学入試において、100%解ききらなければ合格できないということはありません。そして自分が難しいと感じる問題は他の受験生も大抵同じように感じているものです。これは私が受験生の時に、共通テストの数学の難化を経験して得た教訓です。自分ではコントロールできない領域があるのは仕方ないことなのです。解けない問題があっても焦らず、できる問題だけにフォーカスして全力を尽くしましょう。
2日目も同じようにとにかく集中して受験することを意識し、終わってからもあまり試験についての振り返りはしませんでした。親も特に聞くことはなく見守ってくれたのがありがたかったです。帰路に着くとともに、後期試験のことに頭をシフトしていました。
○併願校
・東京理科大学 理学部第一部 応用化学科
(A方式:共通テスト利用、B方式:独自入学試験)
・北海道大学 理学部化学科(後期)
最後に
私の合格体験記として様々なことを紹介してきましたが、私の例やここでおすすめしたことが必ずしも受験生の皆さん全員にとっての最適解とは限りません。他の合格者の合格体験記を見たり、自分で試行錯誤したりしながら、自分にあった受験勉強をしてください。これは受験生だけができる貴重な経験です。皆さん一人一人が、自分のやっていること・やってきたことに対して納得し、「自分は十分に頑張ることができた!」という自信を持って受験に臨めることを祈っています。
ここからどうするかは皆さん自身に委ねられています。後悔のないようによく考えて取り組んでいってください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
4月にキャンパスで皆さんに会えることを楽しみに、仙台から応援しています!