みなさんこんにちは!
大学院の入試も一段落し、少しずつ卒業研究に取り組み始めている頃ではないでしょうか。そんなみなさんに、今回は「大学院での学業」についてお届けしていこうと思います!
一口に学業と言ってもその内容は多岐に渡ります。その中でも今回は「研究生活」について、工学研究科(当時修士2年)の先輩の研究生活を例に見ていきましょう!
大学院での研究生活
学部での研究と大学院での研究はどんな点で異なるでしょうか。もちろん、研究活動には画一的なカリキュラムや決まった進め方などはないので研究室や個人によって異なってくる要素は多いですが、次のような違いがあると思います。
深まる専門性と研究計画
大学を飛び出して学ぶ機会
成果を発信する場
深まる専門性と研究計画
言わずもがな、大学院ではより深く自身の研究を掘り下げていくことになります。
私は工学研究科の航空宇宙工学専攻に所属しており、人工衛星に関する研究と開発を行っています。
写真は東北大学とALE(株)によって開発された人工流れ星衛星ALE-1(左)とその衛星を載せて2019年に打ち上げられたイプシロンロケット(右)です。私はこれらの人工衛星の姿勢制御に関する研究を専門としており、学部時代から取り組んでいます。
大学院から東北大学に進学される皆さんの中には、ガラッと専門分野を変えて研究に取り組む方もいるのではないでしょうか。まったく違う分野に飛び込んでいくのは不安も大きいかと思います。
そんな中で重要になるのが研究の計画だと私は考えています。大学院生活は2年間ありますが、意外とあっという間に過ぎ去っていきます。
この2年間どう過ごすか?単位の取得や就職活動とも平行して研究していくにはどのような計画が必要なのか?
詳細な計画を立てる必要はないですが、前期後期でそれぞれ何に取り組むかなど大雑把にでもイメージを持つことが重要だと思います。自分ひとりで考えるだけでなく、研究室の同期や先輩、教授たちとすり合わせをしていくことで、より現実的な研究計画を立てることができると思います。
大学を飛び出して学ぶ機会
大学院での研究生活の中では、大学を飛び出して試験を実施するような機会も増えていきます。
ちょうど私も人工衛星の試験で九州工業大学を2週間ほど訪れています。
九州工業大学には超小型衛星試験センターという施設があり、宇宙環境を模擬した環境で試験を行うことができます。24時間体制で衛星を見守り続ける必要があるのでなかなか大変ですが、部活の合宿のようで楽しいです。
交通費や宿泊費は大学から支給されます。休日は少し足を伸ばして観光することもできるので、学びだけでなく研究の息抜きにもなります。
他にも私の友人では地質調査で全国を回ったり、漁船に乗って実際に漁を行うなんていう機会もあるみたいです。
普段は研究室にこもって研究活動をすることが多いですが、こんなふうに大学を飛び出すイベントもあるので、ぜひ研究室の先輩に聞いてみることをおすすめします!
成果を発信する場
研究成果が増えてきたら、それらをまとめて発信する機会も大学院では増えていきます。
研究成果を発信する場として代表的なものが「学会での発表」と「学術誌への投稿」です。
学会ではまだ完了していない研究内容を発表し、そこで学会参加者からフィードバックをもらうことが主な目的となります。フィードバックをもとに研究を進め、完了した研究内容を論文にまとめ、学術誌に投稿する、という流れが基本的になります。
学会には論文提出の締め切りが存在するが、学術誌は通年で投稿を受け付けているものが多い、という違いもありますね。
学会発表や投稿までの流れは学会や学術誌によって異なりますが、私が参加を予定している学会では以下のような流れで進んでいきました。
フォーマットに従って論文作成(二段組、6ページ)
↓
共著者に確認を取り、論文提出
↓
論文査読
↓
査読でのフィードバックを反映して論文を再提出
↓
学会発表
他にはアブストラクトだけを提出して査読してもらい、その後論文提出という流れの学会も存在するようです。
研究の背景、手法、結果、考察を6ページにまとめるのは大変でしたが(オーバーすると数万円の追加料金…)、査読の結果学会での発表が受理されたときはとても嬉しかったです!
学会の発表はオンラインと対面のハイブリッドで開催するものが多いようです。私はまだ対面での学会の経験がないのですが、対面の学会に参加した先輩の話を聞くと、実際に会って話すことでより活発に議論を交わすことができるので、多くの気づきを得ることができるようです。
対面で開催の学会に現地で参加する場合は研究室から交通費や宿泊費を支援してくれることが多いようです。これも研究室によってルールが異なると思うので、研究室の教授や先輩に聞いてみてください!
まとめ
今回は大学院の研究生活について焦点を当てて紹介してきました。
みなさんの大学院での研究のイメージが少しでも鮮明になれば幸いです。
今後も大学院での生活などについて発信していきますので、研究の合間などにぜひ目を通してみてください!